2010年02月05日

お馬鹿と変態の狂宴

近年、ミュージシャンのことをアーティストと呼ぶ風潮があるように思います。

音楽とは芸術のひとつであるとも考えますが、それに従うなら
その風潮自体は問題ないところでありますが、ミュージシャンという括りの中でも
アーティストとプレイヤーは分けて考えるべきであって、
それをひと括りにしてしまうのは、どうにも居心地が良くありません。

一言で音楽といってもその中にはエンターテイメントであったり
様々な要素が存在する訳ですが、そういった芸術的側面を含む以上、
実験精神に溢れたものからトンデモ系まで、『アーティスト』達により
多くの果実がもたらされてきました。

それは言い換えればつまり、古くはキッス、アリス・クーパーといった王道から
大きく脇道に逸れまくった変態が跳梁跋扈してきた裏歴史とも言えるでしょう。

今回はそういった禁断の果実をご紹介してみたいと思います。


僕自身は昔からキワモノが大好きで、特にかぶりモノ系は大好物でした。
同じ穴の狢というか、それはつまり僕自身が変態

まずはその筆頭株、ボブ・ログV世をご紹介しましょう。


Log Bomb / Bob Log III



String on a Stick / Bob Log III



‥ひとりでもバンドだそうです。
幼い頃に海難事故で腕を失い、緊急処置で猿の腕を移植したら
こんな風にギターを弾けるようになったそうです。
更に彼はおっぱいと共演したこともあります。
どうやって共演したのか、謎です。

おかしな風貌とその経歴?にばかり注目されがちですが、
古いブルースマンやAC/DCなどのハードロックバンドに影響されたというように、
パンクブルースとも言うべきジャンクでありながらもワイルドな音楽性は、
自ら改造したギターと、曰く『古いハワイアンのレコードみたいな声質』を求めて
実験を繰り返した結果、ヘルメットに装着した受話器から生み出されるに至りました。

自らの求めるサウンドへの飽くなき実験精神はまさにこだわりと呼べるもので、
そこにはボブ・ログのアーティスティックな一面を感じ取る事が出来ます。


I Want Your Shit On My Leg / Bob Log III


‥と思ったら、ただの変態ですね、やっぱ。



日本では聖飢魔Uやカブキ・ロックスが代表的なところですが、
コンセプト系キワモノバンドは海外にも数多く存在します。
ヴィジュアルがヴィジュアルなだけに、音楽的な実力も
それに伴うものが求められる訳ですが、やはりそういうバンドは
CDだけ聞いていてもあまり楽しくない気がします。

ということで、こちらをどうぞ。
太古の昔に銀河の彼方からやってきたGWAR(グウォー)です。


War Party / GWAR



School's Out / GWAR



‥銀河の彼方からやってきました。
(僕が昔読んだ記憶によると)
元々はアートスクール出身の学生達が結成したバンドで、
リアルに作りすぎたアレとかソレのためにワイセツ物陳列罪で逮捕されたり、
日本盤のデビューアルバムタイトルは『愚王 アメリカ破壊宣言』だったり
その割にはアリス・クーパーの曲なんてカバーしちゃってますが。

なんともまぁ非常に馬鹿丸出し感が強いんですが、
やってる音楽自体は正統派で、実力もしっかりしてます。
アートとしての表現とすれば、まぁ分からんでもない気はしますし
これもアリと言えばアリかとは思‥


Fucking an Animal / GWAR



‥えなくなってきました。

そして驚きなのが、現在もバンドは活動しているということ。
今年で結成26年目、もはやベテランの域に達していたというのがすごい。

彼らにご興味をお持ちの方は
GWAR オフィシャルサイト(英語)
GWAR オフィシャルサイト(日本語)
をご覧ください。

また、彼らのお馬鹿っぷりをもっと知りたいかたは
コチラのサイトをご覧ください。
狂乱のヘビメタ「GWAR(グウォー)」



なんだろう‥
このシリーズ、テンションが上がってきちゃうなぁ。


※僕の記憶違いがあり、一部内容を訂正しました。

posted by Marcos at 01:49| Comment(38) | TrackBack(0) | 変態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月02日

ダイナモに掻き消され

インターネット全盛の世の中でその功罪も多々語られるところではありますが、
音楽という面に関しても同様ではないかと思います。

僕にとってその最大の恩恵のひとつはyoutubeです。
昔好きだった曲のビデオクリップや、聞きたかったんだけどお金がなくて
CDを買えなかったアーティストの曲など、もはや何でもありの様相を呈しています。

さすがにここまで来ると著作権の問題もあって削除されるものもあったりしますが、
スリップノットのコリィの発言のように
違法ダウンロードを訴えるヒマがあれば、もっと買うに値する音楽を作るべき
なんてことも考えてしまいます。


そういったあまり世に知られてはいないものの良質な音楽や、
さほど有名ではなくとも良い作品を作るアーティストというのは
このブログで今までに上げてきた民族音楽〜伝統音楽に限らず、
色んなジャンルに多々存在しています。

現在廃盤になっているアルバムが中古市場でも数千円で取引されているという、
未だに根強い人気を誇るZABADAK(ザバダック)をご紹介したいと思います。


満ち潮の夜(LIVE) / ZABADAK



二月の丘(Live) / ZABADAK



‥いささか時代を感じさせる衣装、髪型などではありますが(苦)

この時期のザバダックのメンバーはヴォーカル、ギターetc.の吉良知彦
ヴォーカル、キーボード、プログラミングetc.の上野洋子の2人。
あとはバックバンドです。

特に上野さんはその透明感あふれる歌声と同時に、当時は珍しかった(今もか?)
女性マニピュレーターということで注目を集めたりもしました。


同じ海の色 / ZABADAK (PVなし)



このザバダックを初めて聞いたのは高校生の頃、彼らの人気絶頂期でした。
学校の友達から、なぜか戸川純のヤプーズと一緒に渡された音源に入っていた
これらの楽曲に衝撃を受け、件の友達からありったけのCDを借りたもんです。
‥戸川純は拒否しましたが(笑)

ちょうどメタルキッズばりばりの頃で、普段はラウドネスなんかを聞いてましたが
そういったメタルと同時に彼らのような真逆の音楽性のものも聞いていた訳で、
その頃は全く意識してはいませんでしたが、今にして思えばそれが
民族音楽的要素を取り込んだ音楽との最初の出会いだったと言えるでしょう。


Around the secret(Live) / ZABADAK



私は羊(live) / ZABADAK



ちなみに上の動画でヴァイオリンを弾いてるバックメンバーの太田恵資
ソウル・フラワー・ユニオンなどワールドミュージック系のバンドで
演奏しているのをよく目にします。


また彼らの音楽のニュアンスでもお分かり頂けるかと思いますが、
CMソングの提供も多く行っており有名なところでは
キヤノンの Videokid、資生堂 91'春のキャンペーンでのRECIENTEなど
もしかしたら、みなさんもTVで一度は聞いたことがあるかもしれませんね。


ZABADAK自体は93年の『のれん分け』以後は吉良さんのソロユニットとなり、
方向性と音楽性の変遷を経て現在でも続いています。
一方の上野さんも民族音楽を取り入れた独自の音楽を追求しているそうで、
こちらもいずれチェックしてみたいと思います。


アジアの花 / ZABDAK (PVなし)



遠い音楽 / ZABADAK

※非常にアレなPVではありますが‥


自分達のペンによる楽曲以外にも、外部のライター達の歌曲も取り入れ
良質の音楽を提供し続けてきたZABADAK。
故に、安易な商業主義的でない楽曲が多いのも特徴で、そこには
メッセージであったり詩情であったりを聞く事が出来ます。

上にあげた『遠い音楽』はまさにその代表的な楽曲であり、
この現代に生きる僕らにとって大切なものは何なのか?
問い掛けられているような気さえします。

posted by Marcos at 05:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去に聞いた音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月20日

アコースティックブームとバラードの考察

近年の日本でのアコースティックブームが誕生した背景には、
かつてのMTVアンプラグドに端を発する
アコースティックブームがあるのはもはや言うまでもありません。
その影響は欧米や日本といった国のみならず、
世界中に影響を与えたと言って過言ではないでしょう。


60〜70年代のフォークブーム以降ポピュラーミュージックの流れは
ディスコミュージック等を経てエレキサウンドが主流となっていましたが、
それによりアコースティックサウンドが改めて注目され
再びポピュラーなサウンドとして確固たる地位を確立した
と言えるのではないかと思います。


時代は巡るとはいいますが、そういったサウンド嗜好へと世の中が動いた背景、
というのは単純な音楽の流行り廃りの問題ではなく、時代背景を踏まえて
広く世の中の動きとリンクしているようにも感じます。

その部分に関しては、今回は趣旨ズレしてしまうのと、
ここで書き切れる気がしないのでまたの機会に考察してみることにします。


ひとまずは、お約束。

Tears in heaven / Eric Clapton




また、アンプラグドブーム到来の直接的な原動力には
この2曲の存在が大きいと言えます。


More Than Words / Extreme




To Be With You (Live)/ Mr. Big




今更のような話ですが、ここで気にかけて欲しいのは彼らは普段から
アコースティックな音楽をやっているバンドではない、ということ。
ミスタービッグにしろエクストリームにしろ、本来はハードロックバンドです。


Rest in peace / Extreme



Green Tinted Sixties Mind / Mr. Big




80〜90年代のハードロックバンドが成功するためのスタイルというのは、
いいバラードを作ってシングルカットするという事に尽きました。

今となっては全くもって安易な方法論ではありますが、それによって
上記したエクストリームやミスタービッグの他にも数多くのバンドが
一般に広く認知され、成功への階段を登って行ったのもまた事実です。

その中には最近も日本公演を行ったガンズ&ローゼズはじめスキッドロウ、
ウィンガー、ウォレント、といった多くのバンドが挙げられますが
中でもとりわけ、メタルの帝王ことクラウザー様じゃなかった、メタリカ
名曲『One』でグラミー賞を受賞し、その人気を決定付けたという出来事は
正にその象徴とも言えるでしょう。


One / Metallica





いささか駆け足ではありますが、アコースティックブームに至るまでの背景を
記憶を辿りつつ僕なりに考察してみました。

いかがでしょう。こうやって考えてみると、
コブクロとメタリカが同じに聞こえてきますね
聞こえませんかそうですか。
(J君風)

posted by Marcos at 04:27| Comment(2) | TrackBack(0) | ムーブメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする